

風に吹かれ、揺れる植物の様子。
それでも天に向かい、伸びていこうとする力。
風という自然と、それに立ち向かい生きていく力。
建物という人が自然に対して立ち向かった力の証。
その空間に、生命を象徴する形を置き、それを風に揺らせること。
自然と人。
そのバランスをゆらゆらと揺れながら感じることができたなら。
FRP and Acrylic board
1500x250x250 (mm) x10 Units
2006. 09
サントリーミュージアム天保山
奥田 耕司 アートワークス
建物という人工物。金属・コンクリート・ガラス・石によって構成されたそれは、人を感じさせない無機質さがあります。
しかし、それは人に生活を提供する場であり、人との関係性を持つことによって、そこに存在する価値があるのです。
このような空間に設置する場合、たとえばそれは公園と人との関係におけるベンチのように、人と空間を結びつけるものである必要があります。
そして、存在することによって空間がより豊かなものとなることや、良好な関 係性を築く助けとなることが求められるでしょう。
それには、空間の中に調和 を持って在り、しかし同一とならずに認識に必要な存在を持つこと。
人 ( 自然 ) に建物 ( 人工 ) との中間な要素を提示し、その協調を図ることが重要となります。
今回はこれらの要素を具現化することを重要な要素として制作しました。
風が吹き、ゆらゆら揺れる。それはあたりまえのことですが、自然の力です。すべてのモノは自然から生まれてきました。人の心も自然によって育まれてきたものです。したがって、私達が何を美しいと感じるか。その基準を育んだものも、自然と密接な関係があるでしょう。
作品を設置するにあたっては自然の景観を壊さぬように注意を払い、自然の動きを視覚化すること、連想へのヒントを提供することを意識しました。風に揺れるユニットをススキの群生のように生け表す事によって秋の風情と自然の美しさを感じていただければと思います。
Acrylic board and stainless steel
1350 x 8 x 2000 (mm) x 50 Units
2005. 09 / 2005. 12
大覚寺・京都